今週末から多くの会社が夏休みに突入する。旅先で、また家でじっとしている方にも本は友だち。大手出版3社の「夏の百冊」をじっくりチェックしてみた。
●新潮文庫
「名作」「現代文学」「海外文学」「エッセイ/ノンフィクション」とひねりのない直球勝負のラインナップ。名作が100冊中32冊を占めている。海外文学も22冊と多い。これはまあ基本だな。果たして僕はどれだけ読んでるか、数えてみると100冊中34冊だった。
キャンペーンの景品は、2冊買ってオビのマークを送るとアロハブックカバーがもらえる。
●角川文庫
「恋する」「驚く」「泣く」「たのしむ」「ふるえる」「考える」と感情を基軸にしたカテゴリーで構成。読んだ本が気に入ったら、同じラインのお奨め本を手に取れる仕掛けになっている。夏の百冊キャンペーンでは、後発になる集英社とともに新潮との差別化を図っているのか。
「驚く」のカテゴリーには矢沢永吉「成りあがり」という懐かしい一冊もあった。これに感銘を受けた読者向けのお奨め本は「書を捨てよ、町に出よう」(寺山修司)か……う~ん。
スニーカー文庫から「涼宮ハルヒの憂鬱」、ルビー文庫から「タクミくんシリーズ」とライトノベルもラインナップに加えているのが角川の特徴だ。現代語訳で「竹取物語」「源氏物語」「徒然草」などが読める「ビギナーズ・クラシックス」などもここだけの試みだ。
僕が読了していたのは100冊中わずか20冊。
キャンペーン景品は、2冊買うと全8種類から選べるブックカバープレゼント&抽選で3000名にカバーとおそろいのTシャツプレゼント。
●集英社文庫
蒼井優をイメージキャラクターに「ナツイチ」をアピールしている集英社文庫。蒼井優は古典のカバーにも登場している。夏目漱石「こころ」や、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」に彼女の写真。個人的には?だけど、2007年の夏にこの本を読んだという記憶には残るかも。
少年ジャンプを発行しているコミックの雄ならではのディレクションをしているのが「人間失格」。DeathNoteの小畑健氏の書き下ろしカバーイラストを採用。書店では専用POPも用意され、とにかく目立っている。
カテゴリーは「冒険・ロマン」「青春・恋愛」「爽快・ユーモア」「ミステリー・ホラー」「感動・発見・リラックス」「古典・スタンダード」というように分かれている。このほかの特徴としては、同社が主宰している文学賞「すばる文学賞」の受賞作品を多く取り上げていることか。他社新潮の新潮文学賞、角川の青春文学賞の受賞作品は、今回の100冊ラインナップにはあまり入っていないようだ。
キャンペーンの景品は、1冊買うとその場でもらえるオリジナルストラップ(全8種類)。
僕が読了したのは100冊中19冊。_| ̄|○
3社共通で選んだ作家は次の10名。これがいまの日本を代表する作家であると考えてもそんなにピントはずれじゃないだろう。
大家 夏目漱石 芥川龍之介 太宰治 宮沢賢治
現代作家 赤川次郎 石田衣良 江國香織 恩田陸 角田光代 宮部みゆき
夏目漱石は3社とも「こころ」「坊ちゃん」の2冊がラインナップ。芥川は新潮「羅生門・鼻」と「蜘蛛の糸・杜子春」、角川「羅生門・鼻・芋粥」(大活字)、集英社「河童」。太宰は新潮「人間失格」「走れメロス」、角川「人間失格・桜桃」(大活字)、「走れメロス」(大活字)、集英社「人間失格」(DeathNoteバージョン)。宮沢は3社とも「銀河鉄道の夜」だった。
なお、現代作家の各社の推奨本は次の通り。
赤川次郎 新潮「ふたり」 角川「セーラー服と機関銃」 集英社「その女の名は魔女」
石田衣良 新潮「4TEEN」(直木賞受賞作) 角川「約束」 集英社「エンジェル」「スローグッドバイ」「1ポンドの悲しみ」の短編集3部作。
江國香織 新潮「神様のボート」「雨はコーラが飲めない」(小説・エッセイ各1冊) 角川「落下する夕方」 集英社「なつのひかり」「日のあたる白い壁」(小説とエッセイ)
恩田陸 新潮「夜のピクニック」(本屋大賞受賞作) 角川「ドミノ」 集英社「ネバーランド」「光の帝国」
角田光代 新潮「キッドナップ・ツアー」 角川「幸福な遊戯」 集英社「みどりの月」
宮部みゆき 新潮「火車」(山本周五郎賞受賞作) 角川「ブレイブ・ストーリー」(全3巻)、あやし」 集英社「地下街の雨」